抄録
温暖化の影響をはじめとする気象変化の影響により,ナシ黒星病の秋季防除の適期が遅れた可能性が危惧されたため,秋季防除の適期を再検討した。千葉県における2007年~2011年の秋季の気温は1981年~1985年と比べ上昇しており,それに伴い黒星病の感染好適気温となる時期も10日間程度遅れていた。しかし,9月下旬~12月上旬にかけて,立木仕立ての「長十郎」を用いて時期別防除試験を行った結果,10月下旬~11月上旬が秋季防除の適期であると考えられた。このことから,1985年当時と比べて,温暖化等による防除適期の遅れはまだ無いと推定された。