抄録
ニラ栽培ほ場におけるネダニ類の発生由来は,本ぽに残存するもの,苗によって持ち込まれるもの,さらにその両方によるものが考えられる。本試験では苗からのネダニ類の持ち込みを防止する方法として,温湯浸漬によるロビンネダニの殺虫効果およびニラ苗に対する影響を検討した。その結果,ロビンネダニは45~50℃の範囲で補正死虫率100%であった。また,温度が高いほど補正死虫率が100%になるまでの所要時間は短かった。一方,ニラセル苗は55℃・1分間の処理までは生育に影響が認められなかった。このことから,ニラセル苗に対して45℃で10分以上,47.5℃で5分以上および50℃で15秒以上の温湯浸漬を行うことにより,ニラ苗に影響を与えることなくロビンネダニを防除できる可能性が示唆された。