関東東山病害虫研究会報
Online ISSN : 1884-2879
Print ISSN : 1347-1899
ISSN-L : 1347-1899
虫害の部
千葉県における斑点米カメムシ類2種の防除対策としての適切な畦畔除草管理時期の推定
安田 美香武田 藍安田 哲也平江 雅宏
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 2013 巻 60 号 p. 87-89

詳細
抄録
斑点米カメムシ類の防除対策の一つである畦畔管理について,地域毎に発生する種に対応したより適切な除草時期を検討する必要がある。そこで,千葉県内で斑点米カメムシ2種 (アカスジカスミカメ,アカヒゲホソミドリカスミカメ) が発生する地域の「コシヒカリ」 (10圃場) と「ヒメノモチ」 (9圃場) 栽培水田において,畦畔の管理状況および出穂したイネ科植物の占める割合 (イネ科植物の出穂割合) を調査し,斑点米率との関係を解析した。その結果,イネ出穂2週から1週前の間およびイネ出穂1週から2週後の間が適切な畦畔の管理時期であることが示唆された。また,これらの適切な管理時期に除草を行った場合は,イネ出穂2週前以前の時期のみに除草した場合よりも斑点米率が69%減少することが明らかになった。また,イネ出穂1週前とイネ出穂2週後のイネ科植物の出穂割合がそれぞれ0.1%,10%を超えると斑点米率が落等の基準である0.1%を超すと推定されるので,畦畔雑草の適切な管理時期においてイネ科植物の出穂割合がこれらの基準を超えないように管理する必要があると考えられた。
著者関連情報
© 2013 関東東山病害虫研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top