抄録
群馬県では中山間地の野菜生産振興に伴って,多犯性土壌病害のバーティシリウム病が多数の作物に発生し,ダイズ萎凋病,ゴボウアザミ半身萎凋病などの新病害が報告された。バーティシリウム病を総合的に防除するため,病原菌の検出方法や接種方法について新しい試みが行われ,発生生態や防除技術についても研究が進められた。ウド萎凋病の防除にはクロルピクリン剤のマルチ畦内消毒の効果が高く,現地で普及した。キャベツバーティシリウム萎凋病の防除ではエンバク野生種の輪作が有効であった。今後,バーティシリウム病を効果的に防除するためには輪作や抵抗性品種の利用などの技術を組み合わせ,総合的な対策を講ずることが必要である。