2014 年 2014 巻 61 号 p. 145-148
群馬県長野原町の2か所のハクサイ黄化病自然発生圃場の病原菌およびネグサレセンチュウの種を同定し,後者によるハクサイ黄化病の助長現象を検討した。病原菌は2圃場の分離株ともVerticillium longisporumと同定でき,ネグサレセンチュウ種は,キタネグサレセンチュウと同定された。このことから,これらの黄化病自然発生圃場にキタネグサレセンチュウが生息していることが判明した。2か所の自然発生圃場の土壌に殺線虫剤 (カズサホス粒剤) を処理した結果,土壌中のキタネグサレセンチュウが減少し,さらにハクサイ黄化病の発病も無処理区に比べ有意に低下した。このことから,本県のハクサイ黄化病自然発生圃場においても,キタネグサレセンチュウが本病の発病を助長していることが示唆された。