関東東山病害虫研究会報
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虫害の部
栃木県内で新たに発生したモトジロアザミウマおよびチャノキイロアザミウマC系統に対する薬剤の殺虫効果
春山 直人
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2014 年 2014 巻 61 号 p. 155-158

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抄録

2013年に栃木県内で新たに被害が確認されたモトジロアザミウマおよびチャノキイロアザミウマ新規系統 (C系統) について,複数の作物への被害拡大が懸念されることから本県で採集された個体群に対する各種薬剤の殺虫効果を調査した。モトジロアザミウマでは,食餌浸漬法による処理48時間後の補正死虫率はスピネトラムで98.3%と高く,96時間後ではスピノサド,クロルフェナピルが96.2および96.4%と高かった。虫体浸漬法では処理48時間後の補正死虫率は,メソミル,プロチオホス,マラソン,ニテンピラム,スピノサド,スピネトラム,エマメクチン安息香酸塩,アバメクチン,クロルフェナピル,カルタップ,トルフェンピラド,ピリダリルで90.2%以上と高く,食餌浸漬法と比較して全般的に高い値であった。チャノキイロアザミウマC系統では,食餌浸漬法による処理48時間後の補正死虫率は,スピノサド,スピネトラム,エマメクチン安息香酸塩でいずれも100%と高かった。96時間後ではアセフェート,ピリフルキナゾンが93.3%および91.9%と高く,ニテンピラム,クロルフェナピルは78.8%および71.7%と殺虫効果が認められた。

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© 2014 関東東山病害虫研究会
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