2017 年 2017 巻 64 号 p. 10-14
摘要 本田における病害虫防除を行わずに水稲を栽培し,イネ縞葉枯病抵抗性品種「彩のかがやき」および「彩のきずな」における縞葉枯病の発生,ヒメトビウンカの発生消長およびイネ上で9月に得たヒメトビウンカのRSV保毒虫率を2年間調査した。これら両品種において,外部病徴にもとづくイネ縞葉枯病の発生は認められないか極低率に抑制され,水田ほ場においてきわめて高い防除効果が示された。これら抵抗性品種上におけるヒメトビウンカ個体数およびRSV保毒虫率は,感受性品種に比較して低減する年次もあったが,顕著な低減効果は見られなかった。 抵抗性品種と感受性品種が混在して作付けられている現状においては,縞葉枯病抵抗性品種においてもヒメトビウンカの適切な防除が必要である。