2019 年 2019 巻 66 号 p. 110-112
モモアカアブラムシMyzus persicaeによるウメ輪紋ウイルスPlum pox virus(PPV)媒介に対する行動制御剤アセチル化グリセリド(AG)の処理効果を検討した。PPV保毒虫をAG処理したウメ実生苗(AG処理区)と水で処理した苗(対照区)に接種したところ,対照区では供試した20苗のうち35%で発病が確認された一方で,AG処理区では全ての株で発病が認められなかった。さらに,モモアカアブラムシの増殖に対するAG処理の効果について調べたところ,放虫1日後の株上の虫数にほとんど差は無かったが,同7日後には対照区に比べてAG処理区の虫数は有意に少なかった。以上のことから,AG処理は,モモアカアブラムシのPPV媒介および増殖に対して抑制効果を持つことが明らかになった。