関東東山病害虫研究会報
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(花卉・花木・樹木の病害)
Fusarium proliferatum によるサンダーソニア乾腐病(病原追加)
久保 周子 鐘ヶ江 良彦植松 清次海老原 克介中田 菜々子綿貫 俊貴林 聖麗大谷 徹河名 利幸須賀 晴久
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2019 年 2019 巻 66 号 p. 32-35

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抄録

千葉県内のサンダーソニア栽培圃場では,2014年頃から不発芽や生育不良により生産量が減少し問題となっている。本症状について調査したところ,球根表面には微細なかさぶた状の傷や乾腐病に類似した腐敗が確認され,症状部位からFusarium属菌が高率に分離された。分離菌を健全なサンダーソニアに接種したところ原病徴が再現され,さらに接種に供試した分離菌と同様の菌が再分離された。そこで,分離菌の形態的特徴およびEF1α領域の塩基配列を確認したところ,本菌はFusarium proliferatumであることが明らかとなった。本症状はサンダーソニア乾腐病と考えられたが,病原として本菌は病名目録に未記載のため,病原追加を提案する。

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© 2019 関東東山病害虫研究会
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