2019 年 2019 巻 66 号 p. 36-38
2013年9月に,千葉県のクリスマスローズ(Helleborus sp.)施設圃場において,葉先が褐変し,株が萎凋,枯死する症状が認められた。葉先の褐変および枯れ込んだ茎の健全部と腐敗部の境目から疫病菌が分離され,その形態的特徴とPhytophthora nicotianae特異的プライマーを用いたPCRにより分離菌をP. nicotianaeと同定した。クリスマスローズ苗に分離菌を接種したところ原病徴が再現され,接種菌が再分離されたことから,クリスマスローズに発生した葉の褐変と枯死は,P. nicotianaeによる病徴であることが明らかになった。