2019 年 2019 巻 66 号 p. 46-51
静岡県内のマーガレット生産ほ場におけるウイルスおよびウイロイドの感染状況を調査したところ,キクBウイルス (CVB),トマト黄化えそウイルス (TSWV) およびキク矮化ウイロイド (CSVd) の感染が認められた。これらを効率よく検出するために,マルチプレックスRT-PCRによる同時検出法の開発を試みた。開発した同時検出法の検出感度は,病原体個々に行ったRT-PCRの場合に比べるとわずかに劣ったが,既存のプライマーを用いた個々のRT-PCRと同程度の検出精度をもち,特にCVBについてはより高精度に検出できることが示された。これらのことから,本手法を用いることにより本県のマーガレットで発生しているCVB,TSWVおよびCSVdを迅速かつ簡便に検出可能であると考えられた。