関東東山病害虫研究会報
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(畑作物・野菜の虫害)
2種アブラバチ混合マミー製剤を利用したバンカー法による施設ピーマンおよび施設ナスのアブラムシ類防除効果
伊藤 健司 手塚 俊行小原 慎司長坂 幸吉日本 典秀光永 貴之
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2019 年 2019 巻 66 号 p. 70-76

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抄録

施設ピーマンおよびナスにおいて,ナケルクロアブラバチとコレマンアブラバチの2種アブラバチ混合マミー製剤(両アブラバチマミーを植物片と混和した製剤)と代替餌付きバンカー植物(トウモロコシアブラムシを付着させたオオムギ苗)を簡易給水装置で維持した場合のワタアブラムシおよびジャガイモヒゲナガアブラムシに対する防除効果を検証した。2017年作では,施設ピーマンにおいてワタアブラムシに対し,混合マミー製剤(ナケルクロアブラバチ0.5頭/㎡,コレマンアブラバチ0.5頭/㎡)と代替餌付きバンカー植物を各1回設置した。その結果,ワタアブラムシ接種35日後には株あたり頭数を1頭以下に抑えられていた。2018年作では,施設ナスにおいてジャガイモヒゲナガアブラムシとワタアブラムシに対し,混合マミー製剤(ナケルクロアブラバチ0.5頭/㎡,コレマンアブラバチ0.5頭/㎡)3回放飼と代替餌付きバンカー植物を4回設置した。その結果,ジャガイモヒゲナガアブラムシ接種46日後には株あたり頭数を3頭以下,ワタアブラムシ接種33日後には株あたり頭数を5頭以下に抑えられており,いずれのアブラムシ種に対しても防除効果が認められた。このことから,ナケルクロアブラバチとコレマンアブラバチの混合マミー製剤と代替餌付きバンカー植物を組み合わせた防除法の有効性が示された。

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