2023 年 70 巻 p. 37-40
ニセナシサビダニを対象として,潰した虫体をそのままLAMP反応の鋳型とするDirect-LAMP法を開発した。これにより,核酸抽出を行うことなく1個体の虫体からの核酸検出が可能となった。複数のフシダニ個体群を用いて,ニセナシサビダニ検出用のLAMPプライマーによるDirect-LAMPを行ったところ,ニセナシサビダニおよびその卵を特異的に識別・検出できた。さらに,室内で維持した退緑斑点症状のニホンナシ葉上のニセナシサビダニからは,同サビダニが媒介すると考えられているPCLSaVが検出されたことから,Direct-LAMP法はウイルスの保毒調査にも活用できると考えられた。