2024 年 71 巻 p. 91-95
レンコンネモグリセンチュウ(以下レンコンネモグリと略す)Hirschmanniella diversaはレンコンを加害してその商品価値を落とす,レンコン生産上最も問題となる病害虫である。線虫の土壌中密度測定は防除効果判定などの重要な指標となるが,現場で活用される簡便な線虫分離法であるベルマン法では,茨城県のハス田土壌からレンコンネモグリを分離することが困難であった。そこで,100 µm目合いのプランクトンネットで土壌を篩い,ベルマン法に供試してレンコンネモグリを分離する簡易篩い分けベルマン法を考案した。本法および他の分離法を用いて分離率を比較した結果,茨城県石岡市のハス田土壌に成虫および4期幼虫を混和したサンプルを供試した試験では,本法によりレンコンネモグリ成虫の40%,4期幼虫の90%を分離できたが,ベルマン法,二層遠心浮遊法,チューブ法では5%以下の分離率であった。さらに,茨城県小美玉市のハス田土壌に成虫および2~3期幼虫を混和したサンプルを用いて本法とベルマン法を比較した試験でも,本法の成虫および幼虫の分離率が共に有意に高く,成虫および2~3期幼虫の分離率がそれぞれ35%および21%と,ベルマン法の4%および3%と比較して高かった。本法により,土壌中のレンコンネモグリの密度推定を現場で実施できると考えられた。