Abstract
2024年2月~5月,栃木県のイチゴ15ほ場から採取したイチゴ灰色かび病菌23菌株,トマト20ほ場から採取した37菌株について,菌叢ディスク法またはペーパーディスク法により,薬剤感受性を調査した。菌叢ディスク法による判定では,チオファネートメチル,プロシミドンおよびアゾキシストロビンの耐性菌率は高かった。一方で,フルジオキソニルとピリベンカルブに対しては,耐性菌は確認されなかった。胞子懸濁ペーパーディスク法による判定では,メパニピリムの感受性低下菌率はイチゴで48%と高かったが,トマトで3%と低かった。ポリオキシンとイミノクタジンアルベシル酸塩に対しては,感受性低下菌は確認されなかった。一方で,SDHI剤のボスカリドとペンチオピラドに対する感受性低下菌率は,イチゴで52%,トマトで65%と高かった。大森・中澤(2019)に報告された検定と比較すると,イチゴにおいて,アゾキシストロビンに対する耐性菌率およびメパニピリム,ボスカリド,ペンチオピラドに対する感受性低下菌率が,本検定で急激に高まっていることが明らかとなった。
, fungicide, sensitivity, strawberry, tomato
References
- FRAC (2024) Code List. https://www.frac.info/, (参照2025-03-31).
- 平田明靖 (2000) 第10回殺菌剤耐性菌研究会シンポジウム講演要旨集 27-33.(講要)
- 稲垣 準 (2022) 第36回農薬デザイン研究会 講演4.(講要)
- 石井英夫 (2010) 第20回殺菌剤耐性菌研究会シンポジウム講演要旨集 1-10.(講要)
- 川上 拓ら (2019) 関西病虫害研究会報 61: 15-22.
- 木曽 皓・山田正和 (1994) 植物病原菌の感受性検定マニュアル (日本植物病理学会殺菌剤耐性菌研究会編). 日本植物防疫協会, 東京. pp. 28-33.
- 松本華苗ら (2013) 関東東山病害虫研究会報60: 37-40.
- 向畠博行 (2004) 植物防疫 58: 97-101.
- 西野茂樹 (2024) 第33回殺菌剤耐性菌研究会シンポジウム講演要旨集34-45.(講要)
- 尾崎剛一・貴田健一 (2014) 日本農薬学会誌39: 48-52.
- 尾崎剛一・小野友慈 (2016) 植物病原菌の薬剤感受性検定マニュアル 2016 (7) 野菜類灰色かび病―ピリベンカルブ(培地・生物・遺伝子検定)―. 植物防疫 70: 616-620.
- 大森雅子・中澤佳子 (2019) 関東東山病害虫研究会報 66: 7-11.
- 祖田嘉教ら (2022) 九州病害虫研究会報 68: 36-43.
- 鈴木啓史(2010)第20回殺菌剤耐性菌研究会シンポジウム講演要旨集11-20.(講要)
- 鈴木啓史・黒田克利 (2010) 関西病虫害研究会報 52: 45-51.
- 鈴木啓史ら (2012) 日本植物病理学会報78: 56.(講要)
- 高垣真喜一 (2000) 植物防疫 54: 153-157.
- 高垣真喜一 (2009) 植物病原菌の薬剤感受性検定マニュアルⅡ (日本植物病理学会殺菌剤耐性菌研究会編). 日本植物防疫協会, 東京. pp. 38-40.