2025 年 72 巻 p. 31-34
2022年および2023年に長野県内各地から採取した紫斑粒より分離したダイズ紫斑病菌144菌株について,培地上でのアゾキシストロビン感受性を検定した結果,MIC(最小生育阻止濃度)値が200 ppm以上で耐性菌と判断される菌株は,全体の44.4%(144菌株中64菌株)であった。これらの菌株のうち,MICが1,000ppmを超えていた8菌株についてPCR-RFLPを行った結果,全ての菌株でチトクロームb遺伝子のG143A変異が確認された。2023年および2024年に耐性菌発生圃場においてアゾキシストロビン剤と系統が異なるジエトフェンカルブ・ベノミル水和剤およびジフェノコナゾール乳剤を試験したところ,高い防除効果が認められた。一方,アゾキシストロビン水和剤の防除効果は低い,またはなかった。以上より,長野県内においてアゾキシストロビン剤耐性のダイズ紫斑病菌の発生が確認されたが,代替剤となり得る他系統の薬剤による防除効果は十分であった。