1999 年 1999 巻 46 号 p. 89-92
BT剤のハスモンヨトウに対する殺虫活性と植物葉の関係について, 室内試験で調査した。BT剤には, Bacillus thuringiensis serovar aizawai 由来の結晶性蛋白毒素を含有する試験製剤を, 検定植物にはトマト, イチゴ, シソ, ピーマンおよびナスを用いた。所定濃度に希釈したBT剤を散布した葉を, ハスモンヨトウ3令幼虫に4日間与えて, 致死率および摂食量を調査した。その結果, イチゴとシソでは, トマト, ピーマンおよびナスに比べて, 明らかに殺虫活性および摂食阻害活性が低かった。無処理区における幼虫の摂食量は, イチゴでは少なかったが, シソでは逆に多かった。このことから, BT剤に対する感受性と植物葉の関係については, ハスモンヨトウの摂食性との関連性は特に認められなかった。