関東東山病害虫研究会報
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熱水と土壌還元処理の併用によるトマト萎凋病菌の密度低減効果
植草 秀敏岡本 昌広草野 一敬
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2002 年 2002 巻 49 号 p. 23-29

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抄録
熱水土壌処理および土壌還元処理を併用することにより, 深層部土壌に対する消毒効果を高めるための試験を行った。土壌還元処理のトマト萎凋病菌に対する影響を, コニカルチューブ内におけるモデル実験により調べた。その結果, フスマおよびショ糖を用いた土壌還元処理における菌密度低減効果は, 温度36℃以上, 土壌含水率20~25%以上, 処理期間144時間程度で認められた。フスマ熱水抽出液添加においても菌密度低減効果が認められた。淡色黒ボク土, 多腐植質黒ボク土, 灰色低地土において, 土壌還元処理による菌密度低減効果に差異はなかった。また, 汚染土壌を埋設した温室において両処理の併用試験を行い, 併用による効果が認められた。併用試験の結果はコニカルチューブを用いた試験結果とも一致した。両処理法の併用が土壌病害防除に有効であることが推察された。
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