近年, 世界的に野菜・花きの種子伝染病の被害が問題になり, 健全種子供給への要望が高まっている。しかし, 種子伝染性病原に汚染されていない完壁な健全種子の生産はきわめて困難であり, 種子消毒により対応せざるを得ないのが現実である。しかしわが国では, 主として経済的理由から, 純然たる種子伝染病防除剤として野菜・花きの種子処理登録のあるものは非常に少ない。普通作物と異なり, 野菜・花きの種子消毒は, 今日, 不特定多数の生産者に代わって種苗会社が種子処理を行ない, 種苗会社は改正農薬取締法のもとでは使用者になる。種苗会社は従来, 登録農薬の適用外 (種子処理) 使用で対応してきたが, 改正法のもとでは、これは違法行為となるので, 日本種苗協会では, 適用拡大のための薬効・薬害・作物残留データ作成の試験を各社で分担して行うこととなった。