2003 年 2003 巻 50 号 p. 49-53
土壌還元消毒法のイチゴ萎黄病に対する防除効果を検討した。本試験において, 土壌還元消毒期間中における土壌の酸化還元電位は処理3日後から強還元状態になっていることが確認された。さらに, 土壌還元消毒中の Fusarium oxysporum 菌密度は処理7日後以降, 大幅に減少し, 処理21日後以降は検出されなかった。また, 本圃における発病状況から、土壌還元消毒は臭化メチル剤とほぼ同等の防除効果が認められ, 太陽熱消毒に優った。これらのことから, イチゴ萎黄病を対象とした土壌消毒として土壌還元消毒法は実用性が高いと考えられる。しかし, 収量については土壌還元消毒は臭化メチルにやや劣り, 消毒処理後の可給態窒素量の差が原因になっている可能性が示唆された。