関東東山病害虫研究会報
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イチゴ葉における残留農薬の天敵への影響
柑本 俊樹長岡 広行高木 豊及川 雅彦高橋 義行
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2004 年 2004 巻 51 号 p. 145-149

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抄録

施設栽培イチゴにおいて, 3種類の農薬 (ジメトエート, エトフェンプロックスおよびアセフェート)の, 3種類の天敵 (コレマンアブラバチ Aphidius colemani, タイリクヒメハナカメムシ Orius strigicollis およびチリカブリダニ Phytoseiulus persimilis) に及ぼす影響と, 農薬の残留濃度の推移を調査した。ジメトエートの残留影響調査において, コレマンアブラバチの死亡率が低下したのは処理30日後, タイリクヒメハナカメムシは20日後であったが, チリカブリダニでは処理50日後でも低下せず, 残留農薬の影響は天敵の種類によって異なった。残留濃度は, 3種類全ての供試農薬で処理40日後までの調査期間中漸減した。また, チリカブリダニでは, ジメトエートの影響は葉面残留に対する接触試験の方が散布直後の葉面接触試験よりも強く現れた。一方, アセフェートでは逆の結果となり, 農薬の影響は農薬の種類と試験方法によって異なった。

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