抄録
ミカンキイロアザミウマ2齢幼虫を餌として用い, 給餌量の違いがオオメカメムシ1齢幼虫の生存と発育に与える影響について調査した。1齢期の発育を完了した個体の割合は無給餌区, 0.125頭/日給餌区 (8日に1頭), 0.25頭/日給餌区 (4日に1頭), 0.5頭/日給餌区 (2日に1頭) では0%, 1頭/日給餌区で67%, 2頭/日給餌区, 4頭/日給餌区および8頭/日給餌区では90%以上であった。2齢に脱皮した個体の1齢期間は, 1頭/日給餌区で有意に延長し, 2頭/日給餌区, 4頭/日給餌区, 8頭/日給餌区の間では有意な差はなかった。2齢脱皮後の頭幅は, 1頭/日給餌区で有意に小さく, 2頭/日給餌区, 4頭/日給餌区, 8頭/日給餌区の間では有意な差はなかった。以上の結果から, オオメカメムシ1齢幼虫の正常な発育には, ミカンキイロアザミウマ2齢幼虫を餌とした場合1日あたり2頭以上の捕食が必要であることが明らかになった。