抄録
2004年に国内で発生が確認されたタバココナジラミバイオタイプQは薬剤感受性が低く, 全国的に被害が拡大しているトマト黄化葉巻ウイルスの媒介者になることから, トマト栽培における重要害虫となっている。しかし, タバココナジラミバイオタイプQは, 従来から発生しているバイオタイプBと形態で判別することができない。そこで, 共通の農作物に発生するタバココナジラミバイオタイプB, バイオタイプQおよびオンシツコナジラミを判別するために, マルチプレックスPCR用プライマーセットを開発した。本プライマーセットを用いたPCRによって, タバココナジラミバイオタイプBでは313bpと250bp, バイオタイプQでは313bpと116bp, オンシツコナジラミでは417bpのDNA断片が増幅される。