関東東山病害虫研究会報
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ネギアザミウマの薬剤感受性調査および近紫外線除去フィルムと防虫網を利用したワケネギ栽培
竹内 浩二高橋 大輔櫻井 文隆山岸 明竹内 純伊藤 綾
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2007 年 2007 巻 54 号 p. 151-158

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抄録
東京都内のネギ生産圃場において近年夏期のネギアザミウマなどによる虫害被害が激しく, 品質低下を抑えきれないなど生産者から原因究明と対策を求められてきた。そこで, ネギアザミウマの薬剤感受性調査を行ったところ, 府中市個体群の薬剤感受性が立川市個体群に比べて一部薬剤で大きく下回り, 立川個体群に比べ薬剤抵抗性が発達していることが明らかとなった。特に活性の低い薬剤はマラソン, ペルメトリン, クロルフェナピルなどであった。また, 物理的防除資材として, 小型のビニールハウスに近紫外線除去フィルムを展張し, 0.8mm目合いの防虫網をサイドに設置すると, ネギアザミウマとネギハモグリバエの被害を低く抑えた。近紫外線除去フィルムを展張することによって草丈が高く, 重量が多くなり, ワケネギの生育, 品質に関しても悪影響は無かった。これらの結果から, 地域ごとに有効な薬剤を選定するとともに, 近紫外線除去フィルムと防虫網を組み合わせた施設栽培を導入することで, ワケネギの省農薬・高品質栽培が可能と考えられる。
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