関東東山病害虫研究会報
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Beauveria 属昆虫病原糸状菌2種のミール培養とナガチャコガネに対する感染力
川合 志歩櫻井 健一郎斉藤 三四郎廣森 創西東 力
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2007 年 2007 巻 54 号 p. 181-185

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抄録

昆虫病原糸状菌 (Beauveria brongniartii およびB. amorpha) を用いたナガチャコガネ Heptophylla picea 防除のため, 搾油粕 (ダイズミールおよびナタネミール) による培養法を検討し, 培養ダイズミールの感染力を室内試験で調べた。その結果, 両菌ともこれらのミールで培養できることが明らかとなった。B. amorpha 培養ダイズミール (菌密度: 4.0×107CFU/gミール, CFU: colony forming unit) の少量処理区 (2.0×104CFU/g土) においても幼虫の死亡率は最終的に100%を示し, 高い感染力が確認された。また, 培養ダイズミールを11月に畑にすき込んだところ (菌密度: 3.3×105CFU/g乾土), 60日後にも104CFUレベルが維持されていた。昆虫病原糸状菌の培養ミール物は肥料効果と殺虫効果を併せ持つ資材として有望と考えられる。

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