関東東山病害虫研究会報
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タマネギ栽培地周辺におけるネギアザミウマの誘殺消長とIYSV保毒虫率の推移および防虫ネット利用による施設内への侵入防止効果
藤永 真史古畠 修一米山 千温宮本 賢二宮坂 昌実小木曽 秀紀
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2007 年 2007 巻 54 号 p. 89-92

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抄録

近年, 長野県のトルコギキョウ産地において, ネギアザミウマが媒介するアイリスイエロースポットウイルス (IYSV) によるえそ輪紋病が問題となっている。被害の多い産地では, 水田裏作としてIYSVの感染植物であるタマネギが栽培されている。そこで, これら産地において, ネギアザミウマの誘殺消長とIYSV保毒虫率の推移を調査した。その結果, トルコギキョウの栽培施設内およびその周辺では, ネギアザミウマが5月中旬から誘殺され, その数は次第に増加した。特に, タマネギ栽培跡地への稲作用水注入時期にあたる6月下旬の10日間で, タマネギ栽培跡地に面した調査地点での誘殺数はピークとなり, 保毒虫率も約25%に達した。ネギアザミウマの侵入防止対策として, トルコギキョウ栽培施設開口部に0.6mm目合いの防虫ネットを設置したところ, 施設内のネギアザミウマ誘殺数は著しく減少した。このことから, 本病の防除対策として, 施設開口部に0.6mm目合い程度の防虫ネットの設置が有効と考えられた。

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