抄録
農薬散布の要否や散布時期を判断するために必要な情報を示す, ナシ黒星病防除支援情報システムを Microsoft 社の Excel を利用して開発した。本システムでは, ナシ開花始期, 農薬散布日と散布農薬名, 気象観測データ等に基づくナシ黒星病感染危険度を入力すると, 本病の伝染源である胞子の飛散状況, 果実高感受性期間, 散布農薬の治療・残効期間の目安, 本病感染危険度および予測発病度等の農薬散布の要否や散布時期を判断するために必要な情報をグラフ化して示す。このため, 本病防除の減農薬化のために重要な農薬散布の適期を把握する上で有効な情報を提供する。また, 各ナシ園における病害発生の危険性や, 防除状況が視覚的に把握でき, 本病の発生要因や防除成否の解析等にも活用できる。