2024 年 2024 巻 7 号 p. 39-46
人口減少による人手不足への解決策として、労働者の量的な確保のため、日本は外国人労働者の受入れを行っている。それに加えて、日本政府は生産性、国際競争力を向上するために、世界から高度人材の受入れを拡大する方針を示し、「高度外国人材ポイント制」などの優遇制度を次々に導入した。例えば、2012年5月には「高度外国人材ポイント制」、2017年4月の「日本版高度外国人材グリーンカード」、2023年4月に導入された「特別高度外国人材制度(J-Skip)」、「未来創造人材制度(J-Find)」が挙げられる。「高度外国人材ポイント制」が導入されてから10年経過したが、日本を選んで高度人材の数はまだ少ない。なぜ、外国人の高度人材が日本に来ていないのか、日本の高度人材の受入れ政策について概観し、高度人材誘致の現状と課題を述べ、先行事例のドイツを紹介した上で、日本への示唆を述べたい。