A県看護教育協議会は、県内の看護専門学校の授業に協同学習を組織的に取り入れる目的で研修会を開催した。本研究では、研修会のステップ1~6のうち1~3を全て受講し、自身の担当している授業で協同学習の授業実践に取り組んだ初段階にある教員の協同学習と授業実践への認識、授業実践で感じた成功感、困難感、継続的に実践するために求めたい支援を明らかにする目的で、郵送法による質問紙調査を行った。
結果、26名全員が協同学習に関心を持って受講し、協同学習の効果を共有できる同僚がいる、授業実践に上司の理解・協力が得られている、実践を継続した方が良いと認識していた。また、実践したいが実践に至っていない教員は、授業準備に時間的余裕がない、自信がないと認識していた。
以上のことから、協同学習による授業実践に取り組む初段階においては、上司・同僚が協同し、「授業準備の時間確保」、「授業検討」、「相互の授業参観」、「評価」を連動させた授業づくりを定着させることが望ましい。また、実践の継続のために研修会の目的・目標を周知した運営、授業の成功感の体験、困難感の解決に向けた優先順位を見極めた組織的支援の必要性について示唆を得た。