神戸大学
2011 年 78 巻 2 号 p. 162-173
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本稿は、教育(education)の原義を能力を引き出すこととする語源解釈から福祉との連携を図る言説を批判的に検証するものである。人間をその能力において把捉し、国力の増大、社会的福祉の増進を目指そうとする統治言説の系譜は、西洋では近代ポリス論にまで遡りうる。教育と福祉を接合するこの基本的視座を克服すべく、教育の語源を歴史的に再検討し、それが食に支えられた養生の営みであったことを明らかにする。