教育学研究
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論文
  • 中央執行委員会内の議論に注目して
    布村 育子
    2020 年 87 巻 3 号 p. 329-341
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/01/09
    ジャーナル フリー

     日本教職員組合は、1949年暮れから50年前半にかけて全面講和の立場を選択していった。なぜ/どういう議論を経て、他の労働組合に先駆けて全面講和論を選び取ったのか。本稿はこの問いを、中央執行委員会の議論に沿いながら明らかにした。選択の過程では、平和運動方針案の作成が、教文部管轄―穏健派中執主導から、企画委員会管轄―急進派中執主導へと移行していた。すなわち、外部の動きを考慮した中央執行委員たちの平和運動論が、1950年代の日教組の平和運動の論理になっていったということである。

  • J. デューイの思想における共同体と個人の連関を手がかりに
    西本 健吾
    2020 年 87 巻 3 号 p. 342-353
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/01/09
    ジャーナル フリー

    本稿は、共同体を存立要件としつつもそこに埋没することのない個人を、教育はいかに見いだすことができるのかという課題を背景に、ブラック・マウンテン・カレッジ初代学長のJ. A. ライスの教育思想を取りあげる。とりわけ、ライスの共同体を手段とした個人の目的化という主張に着目する。その際、J. デューイの思想を介することで、ブラック・マウンテン・カレッジの特徴のひとつである芸術教育が、共同体と個人の相克の突破口となることが明らかになるだろう。

  • 知的障害のある人びとの親子関係の視点から
    橋田 慈子
    2020 年 87 巻 3 号 p. 354-366
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/01/09
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は、知的障害のある人びとの当事者運動に応答する自立支援の形成過程を明らかにすることにある。こうした目的を達成するために、知的障害のある人びとの当事者運動の支援者であったロンドンの成人教育チューターの実践を分析した。研究の結果、成人教育チューターが、当事者との議論を通して親子関係をめぐる問題を把握し、家族の内外に支え合いの関係性を構築することによって、親元からの自立を促していたようすが明らかになった。

  • 京都学派の思想圏における森昭のハイデガー解釈
    川上 英明
    2020 年 87 巻 3 号 p. 367-378
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/01/09
    ジャーナル フリー

     本稿は、森昭における人間の「生成」の歴史性と自然性に関する議論を、京都学派の思想圏との関係性に着目しながら検討し、その可能性と限界を見定めることを目的とする。具体的には、森のハイデガー解釈に着目し、それが和辻哲郎と高坂正顕によるハイデガー解釈と関連していることを示すことで、本稿の目的に迫る。この検討は、人間生成の歴史性と自然性との緊張を緊張として思考する地平を切り開くものとなる。

  • 「兵式体操」から「教練」へ
    奥野 武志
    2020 年 87 巻 3 号 p. 379-390
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/01/09
    ジャーナル フリー

     集団的規律的運動を尋常小学校1年生から男性だけでなく女性にも課す1913年「学校体操教授要目」における「教練」の着想は、文部省側委員として体操調査委員会の議論を主導した永井道明が欧米視察から得たものである。「兵式体操」から「教練」へという学校教練の再編は、学校教育の軍事からの独立を維持しつつ、森有礼が「兵式体操」に求めた「精神」を対象となる性別年齢を拡大して復活させるために文部省が主導したのである。

連載 教育研究の現在 第20回
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