教育学研究
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特集:教育の公共性
教育は誰のものか—格差社会のなかの「学校選び」—
志水 宏吉
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2015 年 82 巻 4 号 p. 558-570

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抄録

 本稿では、「教育の公共性」という問題を考える際の切り口として「学校選び」という現象を取り上げる。近年「ペアレントクラシー」という言葉が生みだされるほどに、「教育を選ぶ」人の存在が際立つようになっている。それと軌を一にするように、公教育内部の「差異化」を推し進める新自由主義が日本では主流となり、公教育の実質的な解体が進行しつつあるように思われる。特定の階層・集団のみを利することのなき、オープンかつコモンな公教育制度の再構築がのぞまれる。

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© 2015 日本教育学会
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