2018 年 85 巻 2 号 p. 196-205
本稿では、夜間中学の法制化をめぐる近年の動向について、運動の展開や夜間中学関係者内で交わされた議論、葛藤を含めて記述した。その上で、学校教育の再編成原理として夜間中学が機能すべきこと、そのためには夜間中学の運動性と自主夜間中学の存在はますます必要になると述べた。さらに、夜間中学新設にむけた協議は、国と地方公共団体の責任のもとに、多様なアクターが基礎教育保障の実現にむけて関与し、意思決定、合意形成、役割分担を行っていくためのシステム構築を意識して行われるべきだと提起した。