東京大学(院生)
2021 年 88 巻 4 号 p. 585-596
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本稿は、20世紀初頭、アカデミアを中心に、「国民」や「男らしさ」など理想的な人間像(人格)への自己形成が倫理(的)修養として称揚される中で、心理学者元良勇次郎が、意志を重視するカント倫理学への批判から知情意の調和としての人格を説き、科学万能主義への批判から主観的な経験の中で感情を伴いながら知識を獲得する修養を説いたことを明らかにした。ここには、心理学に基づく「実際倫理」、そして哲学と(自然)科学の双方から主観的な経験をとらえる「科学としての心理学」という彼の挑戦があった。
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