抄録
現在の学校は,「令和の日本型学校教育」の実現,いじめ・不登校の解消,多様化する保護者への対応,教員不足など数多くの課題を抱えている。文部科学省は学校経営の在り方の一つとして「チームとしての学校」を提唱し,その有効性は誰もが認めているが,学校現場において具体的にどのような工夫が有効であるかについては実証されていない。そこで,本研究では,学校の抱える様々な課題を,学校全体のチーム力を生かして解決するための学校組織マネジメントの在り方について追究していく。心理教育的援助サービスにおける,マネジメント委員会とコーディネーション委員会でのミドルリーダーの役割を重視した学校運営組織構築の有効性をもとに,グランドデザインの明確化とミドル・アップダウン・マネジメントの実践例を考察の対象とする。