杏林医学会雑誌
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新幹線列車乗務員室における気圧変化と耳症状について
千田 忠男上畑 鉄之丞
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1982 年 13 巻 4 号 p. 461-466

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抄録
新幹線列車乗務員室の気圧変化とそれに起因すると考えられる列車乗務員の耳症状について検討した。その結果, 調査対象とした乗務員1, 024名における主な自覚症状は「耳なり」と「耳が聞こえにくい」であり, その訴えの頻度はそれぞれ40.1%, 25.1%を示し, いずれも対象群にくらべ有意に多かった。また列車が高速度でトンネル内を走行する際に乗務員室内の気圧は急激に変化し, 5秒間および30秒間の最大の変化はそれぞれ9.9mb, 20.0mbに達した。これらのことから乗務員室内でくりかえし発生する気圧の急激な変化が乗務員の耳症状多発の原因の1つをなしていることが示唆された。
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© 1982 杏林医学会
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