杏林医学会雑誌
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光電的容積振動法による小児・新生児の間接的血圧測定法
小林 博子増田 淳
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1989 年 20 巻 4 号 p. 437-445

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抄録

小児・新生児を対象とした光電的容積振動法による間接的血圧測定法を開発した。本法は前腕あるいは足首の動脈血管内容積を近赤外光電脈波により検出し,この上部に巻いたカブの内圧を増減させ,脈波振幅とカブ圧との関係から血圧値を判定するものである。最高血圧は減圧過程において脈波の出現点に対応するカブ圧から,平均血圧は脈波振幅最大点に対応するカブ圧から得られる。最低血圧は容積脈波波形と血圧脈波との相似性を利用して,間接的に得た最高,平均血圧および容積脈波の波形定数から算出した。われわれは生後2カ月から10歳の小児で直接法との同時測定を行い,最高・平均血圧の測定誤差は±5mmHg以内,最低血圧の誤差は±7mmHg以内であったことを既に発表した。また新生児については,その後対象を9名増やし,10名について検討し,良好な測定が行えることを確認した。

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© 1989 杏林医学会
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