杏林医学会雑誌
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胸部外科教室の5年間 : 1987年から1991年
水野 明
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1992 年 23 巻 3 号 p. 513-517

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抄録

胸部外科教室における1987年1月から1991年末までの満5年間の臨床活動の総括を試みた。この5年間の入院手術の総数は,静脈瘤に対するストリッピング,内シャント造設などのminor surgeryを含めると,1300例余となり,経年的に増加の傾向を示した。心臓・大血管外科,末梢血管外科,肺・縦隔外科,ペースメーカー手術などの各領域の分布は各年度ともほぼ一定であったが,心臓・大血管外科領域では大動脈急性解離,瘤破裂などの大血管病変に対する緊急手術症例の占める割合が高く,さらに最近の2年間では腹部大動脈瘤症例の著しい増加が見られた。またこの5年間に,極めて稀とされる心臓悪性腫瘍が2例もみられたことは,偶然とはいえ,誠に珍しいことなので,大血管外科の概要と心臓悪性腫瘍の2症例についてはやや詳しく述べた。

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© 1992 杏林医学会
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