杏林医学会雑誌
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便潜血反応の定量的測定法 : ヒトヘモグロビンの自動測定装置による検討
桜井 美智恵宿谷 賢一佐野 絵美原田 喜代子前川 博行江上 照夫古谷 信滋内村 英正
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1996 年 27 巻 3 号 p. 291-296

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抄録
近年,大腸癌の増加に伴い,便中ヒトヘモグロビン測定はスクリーニング検査として重要な検査となっており,簡便迅速な測定法の開発が望まれていた。今回,全自動便中ヒトヘモグロビン測定装置OC-センサーの導入を試み,従来の定性法(OC-ヘモディア)との比較検討を行った。希釈直線性は1000ng/mlまで認めた。同時再現性,日差再現性は良好であった。測定値の判定基準は50ng/ml未満を陰性,50〜100ng/mlを判定保留領域, 100ng/ml以上を陽性と設定した。定性法との一致率は良好であった。定性法では,プロゾーン現象を示したが,本法では2000ng/mlまで認められなかった。以上の結果より,OC-センサーは便潜血の日常検査に充分対応できる測定装置であることが確認された。
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© 1996 杏林医学会
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