西日本皮膚科
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症例
5 %イミキモドクリームで加療したボーエン様丘疹症の 1 例
加瀬 貴美黄倉 真恵山下 利春
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2012 年 74 巻 6 号 p. 619-622

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抄録
24 歳,女性。初診の 4 ヵ月前より外陰部に黒色斑を自覚した。婦人科的診察に異常なく近医でカンジダ症として加療されたが,黒褐色丘疹が拡大し,当科紹介受診となった。初診時,両側小陰唇から大陰唇にかけて黒褐色丘疹と黒色斑の多発を認めた。病理組織学的に異型重層扁平上皮の増殖,有棘細胞の極性の乱れ,全層性の核分裂像を認めた。パラフィンブロックより DNA を精製し,HPV16 L1 特異的 PCR を行った結果,特異バンドが増幅され,シークエンス解析より HPV16 であることが確定した。以上より,ボーエン様丘疹症と診断した。5 %イミキモドクリームを週 3 回,5 週間外用したところ,皮疹は消失した。今後,イミキモド外用がボーエン様丘疹症の治療の選択肢となり得ると考えた。
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© 2012 日本皮膚科学会西部支部
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