杏林医学会雑誌
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枯草菌の第3の多剤排出タンパク質遺伝子bmr3のクローニングと機能解析
村田 麻喜子大木 玲子
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1997 年 28 巻 2 号 p. 155-166

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抄録

Bacillus subtilis (B. subtilis)より第3の多剤排出タンパク質遺伝子bmr3をクローニングした。bmr3遺伝子は512個のアミノ酸よりなる膜を14回貫通するタンパク質をコードしている。Bmr3タンパク質はEscherichia coli (E. coli)の多剤排出タンパク質であるEmrBと相同性を示すが,B. subtilisの多剤排出タンパク質であるBmrやBltとの相同性は比較的低い。多コピー型プラスミド上にbmr3をクローニングしB. subtilisに導入すると,Bmrの基質であるトスフロキサシン,ピューロマイシン,に対し高い耐性を示すがノルフロキサシン,アクリフラビン,エチジウムブロマイド,テトラフェニルフオスフォニウムブロマイド(TPP)に対してはBmrより低いが有意な耐性を示した。すなわち,Bmr3の基質特異性はBmrやBltとかなり重複している。染色体上のBmr3遺伝子を不活性化しても宿主菌の潜在的薬剤耐性に変化はみられなかった。さらにBmr3タンパク質をマキシセル法で同定した。

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© 1997 杏林医学会
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