2001 年 32 巻 4 号 p. 417-425
新卵巣刺激法bromocriptine-rebound (BR)法が体外受精時の妊娠率を改善する機序を検討した。初回体外受精はlong (L)法を用い,非継続妊娠例の反復体外受精ではL法かBR法を用いた。BR法は, hMG投与前に約1ケ月bromocriptine (B)を内服した点以外はL法と同じである。hMG投与中の血清PRL値は,初回L法の継続妊娠群より非継続妊娠群で有意に高く,非継続妊娠群に対する反復体外受精ではL法よりBR法で有意に高かった。反復体外受精での胚数,良好胚数,妊娠率は, L法反復よりBR法で有意に増加した。BR法はPRLに対する卵胞の反応性の改善と, rebound現象による血清PRL値の上昇により卵成熟を改善すると考える。またBR法は妊娠達成に重要な採卵前日のPRL日内変動(夜間睡眠時高値)を鮮明にした。さらにBR法は卵成熟促進効果とは独立して子宮着床能を増加することも示された。