杏林医学会雑誌
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原著
子宮動脈塞栓術による子宮筋腫治療の検討
鈴木 典子
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2003 年 34 巻 4 号 p. 351-359

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抄録

開腹することなく, 血管内にカテーテルを挿入し, 非侵襲的に子宮動脈を選択的にゼラチンスポンジにて塞栓し子宮筋腫縮小をはかる子宮動脈塞栓術 (uterine artery embolization, UAE) を135症例に行い, その有効性を検討した。子宮および子宮筋腫核体積は, 各々1年後に61.1%, 46.3%に縮小し, その後も縮小傾向を示し再増大は見られなかった。過多月経, 月経痛も各々84.7%, 62.5%の症例で軽減した。粘膜下筋腫あるいは筋腫核が子宮腔内面に接する筋層内筋腫2例では, UAE後1カ月以内に腟より上行性感染を起こし, その際には早急に子宮内掻爬, 子宮鏡下切除等の処置が必要であった。その他副作用, 合併症としては特記すべきものは無くUAEは極めて有効, 安全な治療法であり, 今後手術法と並んで普及すべき治療法と考えられた。

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© 2003 杏林医学会
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