杏林医学会雑誌
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動脈硬化性疾患の高齢患者における動脈血管硬化指数(Arterial Stiffness Index)と頚動脈硬化病変, Fibrinogen, 血清脂質との関連
林 滋脇坂 晟
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2005 年 36 巻 2 号 p. 113-119

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抄録

動脈硬化性疾患の高齢患者102例を対象として, 動脈血管硬化指数(Arterial Stiffness Index : ASI)を測定し, 頚動脈硬化病変, 血液凝固系, 血清脂質との関連を超音波断層装置により検討した。ASIは年齢(r=0.31, p<0.01), 収縮期血圧(r=0.63, p<0.001), 脈圧(r=0.51, p<0.001)と相関し, 頚動脈の内・中膜厚(IMT)(r=0.19, p<0.05), Pulsatility Index (PI)(r=0.28, p<0.01) Fibrinogen (Fbg)(r=0.20, p<0.05)と相関した。しかし血清脂質とは相関しなかった。ASIを規定する因子を探る目的でASIと相関を示した年齢, 収縮期血圧, 脈圧, IMT, PI, Fbgとの間で重回帰分析を行った結果, 収縮期血圧(t値5.39, p<0.001)とFbg(t値2.33, p<0.05)は有意な規定因子であった。超音波断層装置を用いた頚動脈狭窄度の測定結果は, 23例(22.5%)に平均32.8±12.8%の狭窄が認められ, 狭窄群(196.9±124.1)においては非狭窄群(152.8±100.1)よりもASIは高値であったが有意ではなかった。

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© 2005 杏林医学会
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