杏林医学会雑誌
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側彎症から診断された脊髄空洞症を伴うArnold-Chiari奇形の一例
坂倉 健吾市村 正一服部 和幸小川 潤里見 和彦
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2005 年 36 巻 4 号 p. 364-368

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抄録

症例は3歳女児,幼稚園で側彎を指摘され当院を受診した。単純X線写真上Cobb角は29°であった。神経学的異常は認めなかったが,MRIでArnold-Chiari奇形I型とC2〜脊髄円錐の空洞を認めた。手術は大後頭孔拡大術を施行した。術後3年の現在,空洞は縮小傾向にあり,側彎もCobb角23°とやや改善し,神経症状はなく歩行も安定している。Arnold-Chiari奇形に側彎を合併することは比較的頻度が高い。多くは若年発症で,進行性であり脊髄の異常を伴うため,早期発見・早期治療が重要である。

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© 2005 杏林医学会
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