杏林医学会雑誌
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久我山病院における子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術(UAE)の治療成績
中村 幸雄岡宮 久明大島 重雄小菅 浩章百村 麻衣可知 謙治城田 万紀子
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2005 年 36 巻 4 号 p. 358-363

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抄録

久我山病院にて2002年9月より2005年11月までに子宮筋腫に対し子宮動脈塞栓術(UAE)を行い術後3ヶ月以上経過観察し得た127例の成績につき述べた。UAE前の体積を100%として,UAE後の体積の変化を経時的に観察すると,子宮体積,筋腫核とも1年後にはそれぞれ53.1±2.4%,53.1±2.4%,2年後38.6±6.5%,37.7±4.1%に縮小した。過多月経,月経困難症などの症状も軽減した。術後に筋腫分娩は12例にみられ,変性筋腫の感染の2例は掻爬により軽快した。1例に術後筋腫の再増大がみられ,子宮単純全摘を行い肉腫を否定した。片側のみUAEを施行し得た症例は3例存在したが,1例は術後来院せず,他の2例は術後,筋腫核は縮小している。術後疼痛は硬膜外麻酔の併用によって解決された。UAEは,低侵襲的治療法として,今後欧米のように手術的方法と並んで子宮筋腫治療法として,広く用いられる方法と思われる。

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© 2005 杏林医学会
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