2018 年 49 巻 2 号 p. 107-115
本研究の目的は,『がん患者コーディネーター養成コース』受講者の修了後の学習実態を明らかにし,教育支援のさらなる充実を検討することであった。受講者42名のアンケートの回答から,データの単純集計と自由記載欄の質的分析を行った。実施した講義・演習のすべての項目において,半数以上の臨床現場で受講者が活用していた。本コースがきっかけで3名が専門看護師と認定看護師,医療リンパドレナージセラピストの資格を取得していた。自由記載欄の分析結果は,コミュニケーションのスキル関連で5カテゴリー,知識や技術の習得後の自身の看護実践では4カテゴリー,在宅医療を希望する患者への退院支援では2カテゴリーが抽出された。本コースで提供した内容が,臨床現場で適切に実践され,資格取得への意欲を向上させたことが明らかになった。今後もがん看護実践に活用できるようさらに充実した講義・演習内容を展開していく必要がある。