杏林医学会雑誌
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妊娠期からのペアレンティングプログラム「赤ちゃんの寝かしつけ準備講座」Web教材の開発
佐々木 裕子関 健介高橋 真理
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2018 年 49 巻 3 号 p. 205-216

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抄録

 はじめて親となる夫婦の産後のメンタルヘルスの促進に向けた妊娠期からのペアレンティングプログラム“赤ちゃんの寝かしつけ準備講座”Web教材を開発し,その有用性を検討した。教材開発手続きは,Instructional DesignのADDIEモデルに準じ,全6セッションの教育用サイトを構築した。両親学級に参加した妊娠28週~37週の初妊婦(n=25)とその夫(n=15)に2日おきに6回教材を配信し,eラーニング後に教材のわかりやすさ,および学習モチベーション(ARCS)の評価を行った。その結果,各教材のわかりやすさは5段階中4.4以上の評価であり,学習モチベーションの4因子では,夫婦共に,「教材は変化に富んでいた」などの〈注意〉,「身につけたい内容だった」などの〈関連〉,「妊娠期からの教材として使えそう」などの〈満足〉が〈自信〉に比べそれぞれ有意に高かった(p=0.0001,p=0.0001)。IDの手法を用いて開発した本教材が妊娠期からの出産前教育に活用可能であることが示唆された。

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