京都滋賀体育学研究
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中高齢女性を対象とした動脈硬化関連指標に対する プレサルコペニアと鉄摂取量との交互作用
黄 克欽栗原 俊之長谷川 夏輝濱口 佳奈子家光 素行真田 樹義
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2021 年 37 巻 p. 1-11

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抄録

サルコペニアおよび鉄摂取量は,両者とも動脈硬化との関連が指摘されている.しかし現在のところ,サルコペニアおよび鉄過剰摂取の重複がさらなる動脈硬化のリスクを増加させるかどうかについては明らかではない.そこで本研究の目的は,日本人中高齢女性を対象に動脈硬化関連指標に対するプレサルコペニアと鉄摂取量との交互作用について検討することとした.日本人女性126名(44~79歳)を対象とした.二重エネルギーX線吸収法により四肢筋量を測定し,骨格筋指数(SMI)を算出した.本研究におけるプレサルコペニアは,Asian Working Group for Sarcopenia(AWGS)のSMI診断基準を用いて分類した.動脈硬化関連指標は足首上腕間脈波伝播速度(baPWV)を評価し,また栄養関連指標は簡易型自記式食事歴法質問票BDHQにより評価した.栄養関連指標は本研究における被験者の平均値に基づき,High群とLow群に分類した.年齢,BMIおよび身体活動量を共変量とした二元配置共分散分析の結果,baPWVに対して,プレサルコペニアと鉄摂取量との間に有意な交互作用が認められた(P<0.05).この結果から,プレサルコペニアを有する人は日常の鉄摂取量を減らすことによって,動脈硬化の予防に貢献する可能性が示唆される.

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