京都滋賀体育学研究
Online ISSN : 2435-8835
Print ISSN : 2187-7866
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  • 黄 克欽, 栗原 俊之, 長谷川 夏輝, 濱口 佳奈子, 家光 素行, 真田 樹義
    2021 年 37 巻 p. 1-11
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/02/11
    ジャーナル オープンアクセス
    サルコペニアおよび鉄摂取量は,両者とも動脈硬化との関連が指摘されている.しかし現在のところ,サルコペニアおよび鉄過剰摂取の重複がさらなる動脈硬化のリスクを増加させるかどうかについては明らかではない.そこで本研究の目的は,日本人中高齢女性を対象に動脈硬化関連指標に対するプレサルコペニアと鉄摂取量との交互作用について検討することとした.日本人女性126名(44~79歳)を対象とした.二重エネルギーX線吸収法により四肢筋量を測定し,骨格筋指数(SMI)を算出した.本研究におけるプレサルコペニアは,Asian Working Group for Sarcopenia(AWGS)のSMI診断基準を用いて分類した.動脈硬化関連指標は足首上腕間脈波伝播速度(baPWV)を評価し,また栄養関連指標は簡易型自記式食事歴法質問票BDHQにより評価した.栄養関連指標は本研究における被験者の平均値に基づき,High群とLow群に分類した.年齢,BMIおよび身体活動量を共変量とした二元配置共分散分析の結果,baPWVに対して,プレサルコペニアと鉄摂取量との間に有意な交互作用が認められた(P<0.05).この結果から,プレサルコペニアを有する人は日常の鉄摂取量を減らすことによって,動脈硬化の予防に貢献する可能性が示唆される.
  • 山田 淳子, 辻 延浩
    2021 年 37 巻 p. 13-22
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/02/11
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,小学校6年生を対象に,保健領域「病気の予防」と運動領域「体つくり運動(体の柔らかさを高める運動)」の統合単元を作成し,その効果を検討することを目的とした.  技能に関する結果において,柔軟性の評価として行った長座体前屈の記録は両学級とも単元前後において有意な向上が認められた.また,認識面では両学級とも,自らの体の変化への気づきが認められた.特に実践学級では,自ら体力や健康に関わる課題を持ち,運動を日常化しようとする意欲が認められた.さらに,態度面では,「体育授業診断的・総括的評価」の総合評価得点において,両学級とも単元前後で有意な向上が認められた.これらの結果から保健領域と運動領域を統合させた単元は,運動を日常的に行うことが,病気の予防方法として重要であることを児童に理解させるとともに,自らの体力や健康に対して関心を高め,主体的に運動に取り組むことを可能にする働きのあることが推察され,その有効性が確かめられた.
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